切手の雑学

切手の雑学「公募図案」について

切手の魅力は、小さな紙片に描かれた緻密なデザイン。その図案製作に、プロだけでなく一般市民も関われる機会があります。その「公募図案」にまつわる雑学です。

切手の図案は誰が作る?

切手には大きく分けて、普通・特殊切手があり、両者を区別することから雑学が始まります。前者のデザインは長年一定していますが、後者は年度ごとに発行計画が立てられ、新たな図案が毎年生まれています。この図案にまつわる雑学は数多くありますが、ここでは製作の担い手に焦点をあてます。
図案を製作しているのは、郵便事業株式会社の1部署である、郵便事業本部切手デザイン担当部です。所属している人は切手デザイナーと呼ばれ、10人未満の少数精鋭です。彼らは図案製作だけでなく、消印や郵便はがきのデザインも行っています。
しかし一般の人びとが図案製作に参加する機会もあります。それが切手にまつわる雑学の1つ、公募図案と呼ばれるものです。

公募図案の歴史

公募図案にまつわる雑学は、年賀切手や記念切手など、切手にまつわる様々な雑学と深く関わっています。日本で初めて公募図案が募られたのは、1913年でした。明治天皇の崩御と大正天皇の即位が契機となり、新たな時代を飾るデザインが広く国民から集められたのです。応募は577点にものぼり、1位として選ばれたのは、田沢昌言という人物でした。中央に菊があしらわれたアール・ヌーヴォー調のデザインで、今は「田沢切手」と呼ばれています。
次に図案が公募されたのは、第二次世界大戦中のことで、国民の士気掲揚を目的としていました。このように、公募図案は日本の政治的な歴史とも大きく関わる雑学です。

戦後から現代にかけての公募図案

戦後も切手の図案はたびたび公募されました。しかし戦前のように政治色の強いものではなく、年賀切手や記念切手など、その年を記念するテーマになってゆきます。多くのデザインが公募から生まれており、その量は1つの雑学として成立しうるものです。
戦後初めての公募は、1948年の日本国憲法施行記念でした。次いで1953年には、皇太子殿下御帰朝記念としてデザインが募られます。日本が国際社会に参加するにつれて、「世界コミュニケーション年」「国際平和年」などのグローバルなテーマも生まれました。1990年代以降は、「平和50周年記念」「世界人権宣言50周年記念」「世界遺産シリーズ第11集・原爆ドーム」など平和と関わるテーマも増えてゆきます。このように公募図案の雑学は、日本や国際社会の歴史を切り取る雑学でもあります。

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